台風はサンゴの救世主!?その意外な関係とは?

台風はサンゴの救世主!?その意外な関係とは?

人間にとっては迷惑でしかない台風ですが、サンゴにとっては救世主のような存在です。

 

というのもサンゴは水温変化に敏感な動物で、水温が高すぎたり低すぎる状態が長期間続くと「白化」してしまいます。

 

白化というのはサンゴに光合成産物を供給してくれる褐虫藻が、体内からいなくなった状態のこと。褐虫藻がいなくても少しの間は生きていられますが、長期化すれば生命活動を維持出来ず死んでしまいます。

 

※関連記事:サンゴの白化現象とは?原因や対策

 

夏になると気温の上昇に伴い海水温も上昇し、近年は温暖化の影響で30℃を記録することも珍しくありません。これはサンゴの適水温25℃を大きく上回り、これが長期化すれば白化を起こし死に至ります。

 

台風が水温を下げる

そこで同じ季節の夏に到来する台風が重要になってくるのです。海水温26〜27℃くらいで熱帯低気圧が発生し、28℃を超えたあたりで台風に成長します。

 

そして台風の猛風で海水がかき回され、深海の冷たい海水が、海水面の温まった海水と混ざり合うことで、水温が下がり、サンゴが快適に過ごせる水温に落ち着くのです。

 

逆にいえばサンゴが夏を乗り越えられるかどうかは、台風が来るかどうかにかかっています。過去台風が極端に少なかった年があって、その年はサンゴの白化が例年に増して進行してしまいました。

 

というわけで、「台風はサンゴにとって救世主である」と述べた理由が理解頂けたかと思います。なのでサンゴを護っていきたいと思うのなら、台風の到来を喜びましょう。

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