サメの乱獲でサンゴ礁全滅?理由は?

サメの乱獲でサンゴ礁全滅?理由は?

サンゴの生息域は海洋面積の1%程度に過ぎませんが、全海洋生物の25%がサンゴを取り巻く環境に依存し暮らしています。近年サンゴの保全がさかんに叫ばれるのは、サンゴ礁が死滅することで生態系が計り知れないダメージを受ける為です。それは人間にまで波及します。

 

サンゴにダメージを与える要因として、温暖化による水温上昇や、生活排水による水質汚染などはよく挙げられることですが、最近意外な要因がオーストラリアの研究チームにより発見されました。

 

サメが減るとサンゴも減る?

オーストラリア海洋科学研究所のマーク・ミーカンさん率いる研究チームは、オーストラリア北西部の沖合い300kmの海域で、サメが生態系に与える影響を10年間にわたり調査していました。するとサメの個体数が減少している場所では、サンゴ礁の食物連鎖の構造に大きな変化が生じていることがわかったそうです。

 

上位捕食者のサメが少ない場所では、フエダイのような中位捕食者が増大し、ブダイのような草食魚の数が減少。藻を食べるブダイがいなくなることで、サンゴの生息域で藻が過剰に繁殖してしまい、サンゴの生育を阻害するのです。

 

サメが減る原因

近年フカヒレ目当てのサメの乱獲が問題になっており、サメの個体数が減少する要因になっています。

 

外洋のサメには漁獲制限を設けていない国も多く、そういった所では取り放題です。サンゴ保全の必要性を訴えて、規制を呼びかける必要があるでしょう。

 

サメという上位捕食者がいなくなることで、一見サメとは遠い関係に思えるサンゴの生育が脅かされるんですねー。生態系バランスというものは本当に微妙な均衡で成り立っているのだなと考えさせられます。

page top