サンゴ,珊瑚,珊瑚礁

サンゴの白化現象と地球温暖化の関係

地球温暖化で沖縄のサンゴ礁がピンチ!というニュースは誰でも1度は目にしたことがあるかと思います。

 

でも具体的に地球温暖化で何がサンゴ礁にとってまずいのか、その繋がりまでは今一よくわからないという人も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は地球温暖化によりどうしてサンゴが脅かされるのか、その理由を解説したいと思います。

 

サンゴ礁とは

サンゴというのは刺胞動物門に属する動物です。サンゴにも色々な種類がいて、その1つに造礁サンゴと呼ばれるものがいます。

 

造礁サンゴは体内に褐虫藻と呼ばれる藻類を共生させており、光合成を行ないます。

 

そして光合成により得たエネルギーで、海中のカルシウムを固着させ石灰化させることができます。その石灰質を自身の下に土台のように形成します。

 

この石灰質が積み重なって巨大な地形となったものがサンゴ礁です。サンゴ礁により形成される複雑な地形は、豊かな生態系を育んでいます。

 

地球温暖化とは

地球温暖化、もしくはたんに温暖化とは温室効果ガスなど人為的要因で、大気や海洋の平均温度が長期的に上昇する現象です。

 

海水温・気温が急激に変動することで、異常気象や生物種が絶滅、海面上昇などを引き起こすといわれています。

 

白化とは

サンゴの白化現象とは、その名の通りサンゴから色素が抜けて骨のように白くなってしまう現象です。

 

近年の白化現象は、温暖化が主要因と考えられています。以下のような流れで白化は起こります。

 

  1. 海水温が上昇することで褐虫藻の光合成回路がダメージを受け、活性酸素が発生する。
  2. 活性酸素はサンゴの細胞を攻撃し始め、免疫システムが働いて褐虫藻を放出する。
  3. 褐虫藻がいなくなり骨格が露出することで白く見えるようになる。(造礁サンゴは骨格とそれを覆う共肉から成るが、共肉は半透明で、普段目に見えるサンゴの色というのはほぼ褐虫藻の色(褐色)と同じ。)

 

温暖化による海面上昇もまずい!

また温暖化で南極の氷が溶け続けているということも聞いたことがあると思います。

 

南極大陸の上には平均約1800mという厚い氷が覆っており、これが全て溶けたら海水面は60mも上昇するといわれています。

 

もちろんすぐにそんな極端なことは起きないですが、温暖化がこのまま進行すれば着実に海面上昇は進むことでしょう。

 

サンゴは光を巡って仲間内でも激しい生存競争を繰り広げるくらいですから、水位があがり、光合成に必要な太陽光が届きにくくなるというのは、サンゴにとって非常にまずいことなのです。

 

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