サンゴって食べられるの?
サンゴって食べられるの?という質問はよく頂きます。サンゴも魚と同じ海産生物ですし、海藻っぽいところもありますし、食べられなくもなさそうですよね。
しかしサンゴは、宝石としては古くから珍重されてきたものの、食用としては全く見向きもされていません。珍味としてすら話題になることがありません。
その理由は以下の3つが大きいでしょう。
毒がある
サンゴというのはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物、触手に「刺胞」と呼ばれる、毒針を内包した細胞を持ちます。サンゴを食べるというのは、毒を体内に取り込むようなもので、いくらサバイバルな状況に置かれてもサンゴにだけは手は出さないことをおすすめします。
綺麗なサンゴほど毒性の強く、触るだけで強烈な痛みと痒みに襲われる「サンゴ皮膚炎」を発症することがあります。毒性が極めて強いので、食べたら腹痛では済まないでしょう。
栄養効率が悪い
毒性が無視できるとしても、サンゴという生き物は、骨格の周りに小さなポリプと薄い共肉があるだけなので、単純に栄養効率が悪いです。
一方でサンゴの骨格にはカルシウムが豊富なので、ブダイのように、サンゴの毒に耐性があり、骨をバリバリ砕く硬い歯を持つ魚にとっては貴重な食料となります。
食用に捕獲が禁止
あともう一つ現実問題として、サンゴを食用目的に捕獲することは、基本どこの国でも禁止しています。
生きているサンゴはもちろんのこと、遺物として残った骨格も、ゆくゆくは波浪により砕け他のサンゴや海洋生物の栄養源となります。
研究や教育目的など、特別な理由でもない限りは採取NGとなります。