ギリシア神話のサンゴにまつわる話

ギリシア神話のサンゴにまつわる話

海で囲まれた日本では、海産の宝石サンゴは産出しやすく、古来より貴重な海産資源として珍重されてきました。特に高知県の土佐湾は世界屈指の宝石サンゴ産出量を誇り、深みのある赤が印象的な「血赤サンゴ」は世界的に人気がある日本産珊瑚です。

 

19世紀に日本が開国して以降、土佐(現・高知県)にはイタリアの商人が続々と血赤サンゴの買い付けにやってきて、西洋で「トサ」の名で普及するようになりました。

 

ギリシア神話におけるサンゴ

ギリシア神話にもサンゴにまつわる話が出てきます。ギリシア神話に登場する英雄ペルセウスは、魔術的な武具を使用してゴルゴン三姉妹のメドゥーサ殺しを成し遂げた神として有名です。

 

ペルセウスがメドゥーサの首をかききった際、血しぶきとともにペガサスが飛び出し、海にしたたる血から珊瑚が創造されたといわれています。(オウィディウスの『変身物語』第4巻一節を参照)

 

その為サンゴは別名ゴルゴニア、ゴルゴンの石とも呼ばれたそうです。またメドゥーサの首は、呪いを恐れたペルセウスに海に捨てられ、今でも宝石サンゴを大量に生み出しながら海の底を彷徨っているともいわれています。

 

ローマ神話におけるサンゴ

ローマ神話には金星を司る愛と美の女神ヴィーナス、月を司る貞節の女神ダイアナが登場しますが、サンゴはそれぞれに結びつく宝石と信じられていました。その結果ローマ時代から女性のお守りとして大変人気を博していました。

 

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