サンゴにお守り(魔除け・厄除け)として意味がある理由
今ではサンゴと聞けば、海岸で巨大なサンゴ礁を形成するサンゴをイメージする人が多いと思います。しかし昔はサンゴといえば、深海に生息している宝石サンゴのことをイメージする人が多かったことをご存じでしょうか。
宝石サンゴは学術的には八射サンゴといい、綿密な骨格を持つ為、彫刻・研磨されたものが宝飾品として利用されています。
日本はダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの鉱物資源に乏しい分、島国の特性を活かし海産の宝石サンゴの産出に力を入れてきたのです。真珠に並ぶ七宝の1つとして高い人気と知名度がありました。
厄除け・魔除けのお守りとしての意味
宝石サンゴは魔除けや厄除けなど呪術的効果があると信じられ、首飾りなどにしてをお守りにする風習がありました。
赤いサンゴで角の形を再現した「コルノ」と呼ばれるサンゴ宝石は、世界的に人気があります。コルノとはイタリア語で角を表す言葉。毎年生え替わる角は、人知を越えた力を宿すとして、所有者を守ると信じられたのです。
サンゴは海産であることから、海に出る漁師や船乗りを守るとして特に好まれたといいます。
希少価値の高い宝石サンゴ
宝石サンゴは成長速度が非常に遅いことで知られます。種によっては1cm成長するのに数十年かかるものもいるほどです。
なのでいくら需要が高いからといって、無闇に採取してしまうと供給とのバランスがとれなくなります。現に乱獲によりアカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴ、ミッドサンゴの4種が絶滅危惧に指定されています。
このまま乱獲が続けば絶滅は確実とされているので、採取方法・採取量の規制、禁漁期間の設置など取り締まりを強化する流れになっています。