サンゴの骨格成分の炭酸カルシウムの特徴や効果とは?

サンゴの骨格成分の炭酸カルシウムの特徴や効果とは?

サンゴの骨格の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3=石灰)です。サンゴが光合成で得たエネルギーで、海水中のカルシウムイオン(Ca2+)と重炭酸イオン(HCO3-)を取り込むことで作り出しています。

 

サンゴが生態系や我々人間の経済活動にもたらす恩恵の大半はこの炭酸カルシウムに由来しているといって過言ではありません。そこで今回は炭酸カルシウム特集ということで、炭酸カルシウムの特徴やら効果やら様々なことを紹介したいと思います。

 

製品利用できる

サンゴの骨格の化石化して粉々になって海底に堆積したものを風化造礁サンゴ粒といいます。この風化造礁サンゴ粒は、その豊富な炭酸カルシウムから、浄水剤や天然カルシウムの食品添加物、人工骨の素材などに利用されています。

 

サンゴ礁を形成する

サンゴは自身の下に炭酸カルシウムを主成分とする石灰質を形成し、それを多数のサンゴ群衆が積み重ねていくことでサンゴ礁を形成します。サンゴ礁の複雑な地形は様々な海洋生物の隠れ家、繁殖、生育、索餌の場になっており、生態系のバランスを保っています。

 

一部の動物の栄養源

サンゴは多種多様な海産資源を育む為、人間にとって食糧資源の宝庫でもあります。しかしサンゴ自体はというとほとんどが骨格なので可食部位が少なく食用には適しません。しかも刺胞動物なので毒があり危険です。しかしブダイのように、サンゴの毒に耐性があり、骨をバリバリ砕く硬い歯を持つ魚にとっては、貴重なカルシウムの補給源となっています。

 

酸性に弱い

深海性の八射サンゴの骨格は、その綿密さから宝石として利用されます。しかし主成分は造礁サンゴと同じ炭酸カルシウムなので、酸性のものに弱いという欠点があります。酸性の洗剤で洗ったり、汗や化粧品で汚して放置しておくと、表面が溶けて艶を奪ってしまうので注意しましょう。

 

結晶構造が絶滅種と違う

古生代から中生代まで生息していた床板サンゴや四射サンゴと、現生の六放サンゴとでは、骨格成分自体は同じですが、結晶構造が異なります。

 

  • 床板サンゴ・四射サンゴの結晶構造…カルサイト(方解石)
  • 六放サンゴの結晶構造…アラゴナイト(霰石)

 

アラゴナイトはカルサイトよりも不安定で溶解しやすい性質があります。その為新しい時代に生きる六放サンゴの方が化石として残りにくいという現象が起こります。

 

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