宝石サンゴと造礁サンゴの違いとは?宝石サンゴの特徴や成長速度
おそらく多くの人がイメージするサンゴというのは、海岸でサンゴ礁を形成し、多種多様な海洋生物に周りを囲まれる造礁サンゴだと思います。
しかしサンゴにも色々な種類がいて、例えば八射サンゴ(俗に宝石サンゴ)と呼ばれる種は、深度数百mという深海にも生息しています。この両者は同じサンゴの仲間ですが、生態的には大きく異なります。
宝石サンゴの特徴
共生関係
造礁サンゴのように褐虫藻と共生せず、光の届かない場所でひっそり生きています。造礁サンゴと違い光合成をする必要がないので、光を巡る生存競争などは起きません。
触手
口の周囲にある触手の数が造礁サンゴが6本なのに対し、八射サンゴは8本あります。
利用
八射サンゴは非常に強固で綿密な骨格を持ち、その骨格が世界各地で宝飾品として利用されていることから、宝石サンゴという別名も持ちます。
特に日本では、ダイヤモンドやルビーなど鉱物としての宝石が乏しい分、宝石サンゴや真珠、貝殻のように海洋生物由来の宝石が珍重されました。魔除けや厄除けなど呪術的効果があると信じられ、首飾りなどにしてをお守りにする風習がありました。
一方で造礁サンゴの大半を占めるイシサンゴ目も、硬い骨格は持ちますが、利用法としてはポリプ・共肉を取り除き骨格を置物にするくらいで、宝石のように加工はできません。
保全状況
人的要因による気候変動の影響で造礁サンゴは絶滅が危ぶまれています。一方宝石サンゴはというと、深海は低温ながら水温が安定しているし、汚染水もそうそう数百m、数千mという深度には届かないので、人間の産業活動の影響を受けにくいです。しかし栄養の乏しい深海では、1cm成長するのに何年、何十年とかかるくらい成長速度が遅く、その割に宝石としての需要が高いので、乱獲による絶滅が危ぶまれています。
宝石サンゴの種類
- アカサンゴ
- ベニサンゴ
- モモイロサンゴ
- ボケサンゴ
- シロサンゴ
- イボモモイロサンゴ
- ゴトウモモイロサンゴ