サンゴ礁ができるまでの形成順序は?

サンゴ礁ができるまでの形成順序は?

サンゴ礁は裾礁⇒堡礁⇒環礁という3段階を経て発達していきます。【サンゴ礁の地形の種類】ではそれぞれの地形の特徴を紹介しましたが、今回はその変化の過程を紹介したいと思います。

 

1.裾礁ができるまで

※裾礁の特徴…海岸部に接するように形成された状態。

 

サンゴの卵は受精すると数日でプラヌラ幼生となって海中を漂い、島の縁部分に接した、極めて浅い海に着床します。

 

そこで植物プランクトンなどを取り込みながら成長し、ポリプと呼ばれるイソギンチャクに似た小個体となります。ポリプは無性生殖で分裂・増殖を繰り返し、自分のクローンを増やすことで大きくなっていきます。

 

そして増殖を繰り返し大きくなるとともに、自身の下に石灰質を積み重ねていき、島の裾(すそ)を縁取るように地形を形成していきます。これが裾礁といわれるサンゴ礁の初期の段階です。

 

2.堡礁ができるまで

※堡礁の特徴…島から少し離れた所に形成された状態。

 

堡礁は長い年月をかけて海面上昇や島の沈降が起きた場合に形成されます。サンゴ礁を形成する造礁サンゴは、共生関係にある褐虫藻が光合成を行なえない環境では生育できません。

 

その為海面上昇や島の沈降が起き、日光が届きにくくなったら、より上へ上へと伸びようとします。するとサンゴ礁は海底につながったまま、島との間に10〜100mの深い水域ができるのです。この水域のことを礁湖(ラグーン)と呼びます。

 

3.環礁ができるまで

※環礁の特徴…礁の中央に島がなく、環になった外礁と礁湖のみの状態。

 

メカニズムとしては裾礁から堡礁になるまでの流れと同じです。海面上昇もしくは島の沈降がさらに進行し、中央の島が完全に沈んでしまった状態が環礁です。日光を得るためにさらに上へと成長したサンゴ礁だけが海面に残ります。

 

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