サンゴを食べる魚ブダイの生態
ブダイはスズキ目ベラ亜目ブダイ科の魚です。
名前の由来には諸説あり、
- 『武鯛』からという説…鎧をまとった武士に似ているため。
- 『舞鯛』からという説…ヒラヒラと舞うように泳ぐため。
- 『醜鯛』もしくは『不鯛』からという説…鯛に比べて不格好なため。
などの説があります。
全長30〜40cmで、大きなウロコを持ち、やや体高が高く、頭部が大きいです。
オスはやや青みがかった褐色で、メスはやや赤みがかった褐色です。
ブダイ科の魚は、歯がくっつきクチバシのようになっている種が多いです、本種については完全にはくっついておらず縁のほうで多少切れています。
本州中部以南,朝鮮半島,沖縄に分布し、サンゴ礁や岩礁付近の浅い海に生息しています。
ブダイはサンゴを食べる?
ブダイは海藻を好み、サンゴ礁からサンゴの塊をはぎとり、ポリプの中の藻を取り出して食べます。
丈夫な歯を持つので、サンゴの強固な骨格もバリバリ噛み砕いてしまいます。
サンゴの骨は喉の奥の咽頭歯ですりつぶされ、ブダイの生息地の砂地となります。
ブダイの役割
サンゴの天敵でもありますが、サンゴ礁にとって重要な役割を担っています。
ブダイは死んだサンゴに生えた藻も綺麗に食べてくれるので、過剰な藻の繁殖を防ぎ、生態系バランスを保っています。
もしもブダイがいなくなって藻に環境が圧倒されたら、サンゴの生息が脅かされます。
ブダイはサンゴを食べますが、同時に守る存在でもあるのです。