サンゴの生態

サンゴの生態記事一覧

植物プランクトンである褐虫藻を共生させる造礁性サンゴは、水深20〜30mの浅くて綺麗な海に住んでいます。光合成産物をエネルギーにしている彼らは、太陽光の届く範囲でしか生活できません。なので光が通りやすい濁っていない・深すぎない場所に居を構えているのです。深海にもサンゴはいるの?始めに答えを言ってしまえば、深海にもサンゴはいます。サンゴの骨を加工したものは宝石として珍重されますが、宝石にされるような...

サンゴって樹木のように枝分かれしているし、一見すると全然動かなくて、動物ではなく植物なのではと思ってしまいますよね。しかしサンゴは刺胞動物門に属する、クラゲやイソギンチャクの仲間でれっきとした動物です。植物は栄養を受動的に取入れるだけですが、サンゴは自分で狩りをします。それも食虫植物のように、ただ獲物が消化器官に落っこちるのを待つというものではなく、触手を使って能動的に動物プランクトンなどの獲物を...

サンゴにも色々な種類がおり、硬い種もいれば、柔らかい種もいます。硬いサンゴと柔らかいサンゴでは生態の傾向が異なります。硬いサンゴの生態的特徴◆骨格硬い種はハードコーラルや宝石サンゴといい、強固な石灰質の骨格を持った種です。造礁サンゴの大部分はハードコーラルで、ポリプ・共肉以外は硬質で触ると石のように硬いです。深海に生息する宝石サンゴはより綿密な骨格を持つので、加工され宝石として利用されます。◆死後...

サンゴというのは樹木のように枝分かれしていて、一見すると動きもないので植物のような印象を受けます。しかしサンゴ(珊瑚)は、クラゲやイソギンチャクが属する刺胞動物門のれっきとした動物です。ポリプと呼ばれる本体と、石灰質でなる堅い骨格からなっており、普通の動物と同じように摂食・排泄・産卵も行います。肉食かつ、植物のように受動的に栄養を取入れるのではなく、触手を使って能動的にプランクトンなどの獲物を狙っ...

サンゴには大きくわけて造礁性サンゴと非造礁性サンゴがいます。それぞれ生息地・生息条件は異なるので分けてご紹介しますね。造礁性サンゴ造礁性サンゴとは、体内に植物プランクトンの一種である褐虫藻を共生させているサンゴのことです。褐虫藻の光合成産物でエネルギーの大部分を補っているので、太陽光が届きやすい水深20〜30mの澄んだ浅海に生息しています。また水温が20〜30℃くらいで安定しており、塩分濃度が30...

サンゴ礁は海洋面積の1%程度にも関わらず、全海洋生物の25%もの割合(93,000 種以上)がサンゴ礁に依存して暮らしています。サンゴは海中のカルシウムを固着させ石灰化する性質があり、その結果サンゴ礁が形成され、その複雑な空間地形の中で、多種多様な生物が繁殖・生育・索餌を行うようになったのです。サンゴの水質浄化機能サンゴ礁ではさかんな物質循環が行われており、水質浄化の場も兼ねています。サンゴは体内...

サンゴの体内では褐虫藻という藻類が共生しており、この藻類の働きによりサンゴは動物でありながら光合成を行う生物として知られています。光合成により生命活動に必要なエネルギーの大部分を補っているので、太陽光が届く澄んだ浅海でしか生きていけません。二酸化炭素濃度を調整する光合成により海水中の二酸化炭素濃度が調整されており、サンゴ礁に密集する何万種もの生物に酸素を行き渡らすことができるのは、この機能のおかげ...

サンゴも生き物である以上、必ず死があります。しかしそれは「寿命で死ぬ」というものではなく、気候変動によるストレスや他の生物に食べられて死ぬ、という形であり、寿命で死ぬというものではありません。というのもサンゴというのは、最初の個体が死んでしまっても増殖してクローンを次々と増やし拡大することができるので、半永久的に生きることができるからです。だから環境さえ安定していれば、100年でも1000年でも生...

サンゴの中でも、造礁サンゴと呼ばれる体内に褐虫藻を宿した種は、光合成によりエネルギーの大部分を補っています。その為光があたらない場所では生育できず、サンゴが密集した場所では、少しでも日当たりの良い場所を巡ってサンゴの陣取り合戦が起きています。有利なサンゴ不利なサンゴサンゴには塊状に群体を作るウミトサカ目と、樹木のように枝状の群体を作るヤギ目がありますが、光を巡る競争では、後者のほうが有利です。これ...

サンゴの化石は「示相化石」として地質学で重宝されます。示相化石というのは、それを含む地層の堆積環境を推定できるような化石のことです。褐虫藻を共生させ光合成を行うタイプの造礁性サンゴは、生育できる環境に大きな制約があります。大体以下の条件がそろっていないと満足に成長することができません。十分な日射量がある水域光が届く浅海年間通し安定した水温(20〜30℃くらい)澄んだ海水塩分濃度30〜40パーミル程...

ポリプは刺胞動物の体の構造の1つです。刺胞動物に属するサンゴは、ポリプがたくさん集まって全体を形成したもので、サンゴ本体のこともポリプと呼びます。ポリプが単体で暮らすものは「単体サンゴ」、ポリプが増殖することで生じたクローンがより集まって群体として暮らすものは「群体サンゴ」といいます。ポリプの特徴出口のない袋状の消化管を持つ。固着生活に適した形状をしている。体はほぼ円筒形だが、細長いもの・平らなも...

ポリプはサンゴなど刺胞動物の最小単位です。ポリプそのものが生物であり、円筒形の体に触手を生やしたイソギンチャクのような見た目をしています。非常に小さな小個体で、元の大きさは数oから数p程度です。単体サンゴと群体サンゴポリプが単体で生活しているものは単体サンゴ、ポリプが分裂・出芽を繰り返し生じたクローンがたくさん集まって全体を形成したものは群体サンゴといいます。単体サンゴの場合、ポリプの大きさがイコ...

サンゴの骨格構造は種によって異なる特徴を持ち、それぞれ以下のような特徴があります。八射サンゴの骨格構造綿密で硬い石灰質の骨格を持っています。ほぼ例外なく深海性で、死ぬと残る硬い骨格は宝石として利用されます。宝石サンゴとも呼ばれ、日本では古来より真珠に並ぶ七宝の1つとして珍重されました。軟質サンゴの骨格構造細かい石灰質の骨格(骨片)を体の中にバラバラの状態で保持しているのが特徴です。強固で綿密な骨格...

刺胞動物サンゴの、古生代から現代までの進化の歴史をまとめています。古生代古生代の時点ですでに藻類と共生し、光合成産物からエネルギーを得る造礁サンゴがいたと考えられます。ただこの時代に繁栄した床板サンゴ、四射サンゴはすでに絶滅しており、現生のサンゴとは異なります。◆カンブリア紀(約5億4200万年前〜約4億8830万年前)「カンブリア大爆発」と呼ばれる爆発的に動物が増加する現象の中で、希少種ではあっ...

造礁サンゴは無性生殖と有性生殖両方行います。無性生殖サンゴを構成する小個体=ポリプ=サンゴ個虫が分裂・増殖しクローンを作る行為は無性生殖にあたります。サンゴが成長して大きくなるというのは、ポリプが増殖してサンゴの体積が大きくなっていることを意味します。無性生殖で増えたサンゴ虫は全て、1個体のサンゴ虫から分裂して増えたものなので、同じDNAを持つクローンということになります。有性生殖サンゴを構成する...

まるでホタルが集まる樹木のように、太陽光のほとんど届かない深い海で、美しい光を放つサンゴがいます。それもいわゆる宝石サンゴといわれる深海性の非造礁サンゴではなく、30〜100mの水域に棲む浅海性の造礁サンゴです。蛍光色素で光るサンゴ浅海性のサンゴは、紫外線のダメージを軽減する蛍光色素を持っています。人間と同じように強い紫外線を浴びると、サンゴの中の褐虫藻もダメージを受ける為です。そしてこの蛍光色素...

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