サンゴの色の種類は?
肉眼で確認できる「サンゴの色」というのは
- 褐虫藻の色素
- サンゴ自身が持つ色素
- 紫外線対策に持つ蛍光色素
によって決まります。
褐虫藻の色素
一般に広くサンゴとして認識されるサンゴ礁を形成する「造礁サンゴ」は、体内に褐虫藻という藻類を共生させています。サンゴというとカラフルなイメージがあるかもしれませんが、褐虫藻は褐色をしているので、浅海に棲むような造礁サンゴの色はほぼ褐色です。
サンゴの色が白くなってしまう「白化」と呼ばれる現象は、水質変化などのストレスで、サンゴが体内から褐虫藻を排出(※1)したり、褐虫藻が色素を失う為に起こるものです。
この時サンゴの石灰質の骨格の白色が露出するので「白化」と呼ばれるのです。褐虫藻が活動を停止したり排出されても、サンゴはしばらくは生きていますが、時間が経つと死亡してしまいます。
※1…温暖化などで水温が上昇すると、褐虫藻の光合成回路が破壊され活性酸素が発生します。活性酸素はサンゴの細胞を破壊する為、応急的な免疫機能として褐虫藻を排出すると考えられています。
サンゴ自身が持つ色素
サンゴ自身が持つ色素は、赤、黄、橙色、ピンク、青など様々です。深い水深に生息するサンゴは、褐虫藻がいない、もしくは少ないので、自身が持つ色が濃く出ています。サンゴ自身の色の役割はまだはっきりわかっていませんが、深い所には色を持たない種が多いことから、強すぎる光を反射して褐虫藻を守る為ではといわれています。
紫外線対策に持つ蛍光色素
造礁サンゴは光合成の為に、強い太陽光線を浴びる浅海に棲みます。しかし太陽光線には紫外線が含まれており、私たち人間と同じようにサンゴにとっても紫外線は有害です。その為サンゴは紫外線のダメージを軽減する蛍光色素を保有しているのです。この蛍光色素は暗闇で紫外線ランプを当てると光って見えます。
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