サンゴ(珊瑚)の生態や白化問題についてまとめるサイト

サンゴとはどんな生き物?

サンゴ(珊瑚)は海の生物の中でもかなり知名度がある方だと思いますが、「よくわからないけど綺麗な生き物」くらいのイメージで止まっている人は多いように思います。

 

そこでここではサンゴという生き物がざっくりでもわかりやすく理解できる、サンゴならではの特徴を挙げていきます。

 

サンゴってこんな生き物です。

目次

 

クラゲやイソギンチャクの仲間

サンゴ(珊瑚)とは刺胞動物門に属する生物で、発達した堅い骨格を有したものです。

 

サンゴは一見まったく動きがないように見えるので、植物や鉱物のような印象も受けますが、実は動物です。

 

同じ刺胞動物門には他にクラゲやイソギンチャクなどがおり、こういった動物の仲間なんですね。

 

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サンゴ礁を形成する

サンゴの石灰質の骨格が堆積して出来た地形(岩礁や島)のことを「サンゴ礁」といいます。地形によって裾礁(きょしょう)/堡礁(ほしょう)/環礁(かんしょう)という3タイプに分けられます。後に解説するサンゴの一種「造礁性サンゴ」から形成されるものです。

 

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ポリプと呼ばれる構造を持つ

サンゴとは、触手を持った「ポリプ」と呼ばれる固着性の生活に適した構造を持っています。この構造の特質によりサンゴの種類が分けられるといえます。

 

−単体サンゴ
ポリプが単体で生活するもののことで、家に例えれば一戸建てのようなものです。イソギンチャクなどは単体サンゴに属します。

 

−群体サンゴ
単体のポリプが増殖して分離せず接して生活しているもののことで、家に例えれば集合住宅のようなものです。一般に広く流布するサンゴのイメージは群体サンゴのものでしょう。

 

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狩りをする

サンゴは動物なので食事もします。触手に囲まれるようにして口があり、触手で動物プランクトンなどの餌を捕え口に運びます。ただ獲物が降ってくるのを待ち構えるのではなく狩りをするんですね。また口からは摂食だけでなく排泄や産卵なども行います。

 

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植物プランクトンと共生する

サンゴの中には、褐虫藻(かっちゅうそう)という藻類(植物プランクトン)を共生させ、褐虫藻から光合成産物を捕食しているものがいます。そのようなタイプを造礁性サンゴといいます。

 

造礁性サンゴは太陽光があたりやすい浅海に棲み、水面からでも容易に観察できます。私たちの目に映るサンゴの色は褐虫藻の色によるものです。一般にイメージされるサンゴとはほぼ造礁性サンゴのことです。普通の食事+αで褐虫藻からのエネルギー供給があるので成長が早く、サンゴ礁を形成します。

 

−非造礁性サンゴ
褐虫藻との共生を行わないものもいます。そのようなサンゴを非造礁性サンゴといいます。太陽光の届かない深海に生息するサンゴは全て非造礁性サンゴです。

 

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死がある

サンゴも生きているからには死があります。しかし1000年以上生きることも珍しくなく、長寿なことで知られます。その代わり水質や水温のちょっとの変化に多大なストレスを受けてしまいます。ストレスを受けると共生している褐虫藻を追い出し、「白化」し、そのまま圧迫した状況が続けば早々に死んでしまいます。

 

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海洋生態系の要

サンゴ礁は小魚の住処や産卵場所になり、共生する褐虫藻が二酸化炭素を吸収することで海洋のCO2濃度のバランスを保っています。その為海底の1%を覆っているに過ぎないサンゴに、全海洋生物の4分の1が依存して生きています。人的要因による水温上昇や水質汚染が過ぎると、サンゴが死滅し、生態系が致命的なダメージを受けてしまうことが懸念されています。

 

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宝石として高い需要

サンゴの骨は、加工され宝飾品として用いられる場合もあり、そのようなサンゴを宝石サンゴといいます。とくに鉱物の宝石の産出に乏しい日本では、古来より真珠に並ぶ七宝の1つとして珍重されました。宝石サンゴは魔除けや厄除けなど呪術的効果があると信じられ、首飾りなどにしてをお守りにする風習がありました。

 

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天敵がいる

サンゴは植物のようにボーっと固着し何ら危機感のない生活を送っていると思われがちですが、そんなことはありません。サンゴにも、オニヒトデや自身を狙う天敵がおり、弱肉強食の食物連鎖の中にいます。また宝石などの需要の為に乱獲を繰り返す人間もまぎれもない天敵の一種です。

 

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飼育できる

サンゴは自宅で環境を整えれば飼育することもできます。サンゴをメインとした水槽のことをリーフアクアリウムといいます。サンゴ礁に棲む魚と一緒に飼われることが多いです。

 

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