サンゴを守るために個人でできることとは?
サンゴは海洋面積の1%程度にもかかわらず、全海洋生物の実に4分の1はサンゴ礁に依存して暮らしています。
サンゴの中でも浅海に暮らす造礁サンゴは、光合成で得たエネルギーなどから自身の下に石灰質を作り出し、それが積み重なることでサンゴ礁を形成します。
このサンゴ礁は海洋生態系において非常に重要な役割を果たしています。
サンゴ礁の役割
- サンゴ礁の複雑な地形は、多種多様な生物の繁殖や安息の場となっている。
- サンゴ礁には多種多様な生物が集まるので、食物の宝庫にもなっている。
- サンゴは光合成を行ない二酸化炭素を吸収するので、温暖化の抑止力になっている。
- サンゴが放出する粘液は海中の有機物を沈殿させ水質を清浄に保つ。
- サンゴ礁は外海の高波を緩和し、天然の防波堤としての役割を果たしている。
ところが近年、温暖化による水温上昇や、生活排水による水質汚染で、サンゴの白化が問題になっています。白化してもすぐに死ぬことはありませんが、高水温や汚染といった悪い状況が改善しなければ生命活動を維持できず死んでしまいます。
サンゴ礁が死滅するということは、それを頼りにしている海洋生物の4分の1も死滅するということです。ここまで大規模な絶滅が起こると、単に一部の魚が食べられなくなるというレベルの弊害では済まないでしょう。
サンゴを保護するためにできること
もちろん根本的な解決には温暖化や水質汚染に歯止めをかける必要があり、億〜兆単位の予算をつぎ込む大規模な事業として、国際的な協力の元で進めていかねばなりません。
しかし私たち個人が日常の中でできることもあり、大勢がサンゴ保全の重要性を認識し、大勢が取り組むようになれば状況の進行を遅らすことはできるでしょう。
サンゴを守る為に個人で取り組めること
- SNSやブログを駆使したサンゴ保全の啓蒙活動。
- 洗い物に使う合成洗剤を減らす。
- 生活排水として油をそのまま流さない。
- 海にゴミを流さない。
- 日焼け止めには天然成分由来のものを使う。
- オニヒトデや貝などサンゴを食害する動物の大量発生の際に駆除活動に参加する。