サンゴがマイクロプラスチックを食べる?悪影響とは?

サンゴがマイクロプラスチックを食べる?悪影響とは?

温暖化による水温上昇や生活用水流出により水質汚染でサンゴの白化が進行することは有名ですが、最近サンゴの生育を脅かす新たな要因が発見されました。

 

プラスチックゴミが砕けるなどして出来る「マイクロプラスチック」が、サンゴに付着して病原菌が発生し、白化が進行しているとのことです。

 

マイクロプラスチックの有害性

マイクロプラスチックは大きさ0.1 mmから1 mmで、海岸付近の浅海から沖の深海まで幅広く存在します。プラスチックには製造過程で加えられた化学物質や、海水中から取り込んだ様々な化学物質が含まれており、海洋生物の体内に取り込まれると様々な健康障害を引き起こします。

 

また魚を食べる人間にも被害が出ることが懸念されています。大きな魚の場合は内臓ごと食べることはないのでそこまで心配はありませんが、小魚の場合内臓もまるごと食べる場合が多いです。それにいくら内臓を避けても、体組織に取り込まれた化学物質まで避けるのは困難です。

 

サンゴがプラスチックを食べる?

またサンゴの体に付着するだけでなく、サンゴがマイクロプラスチックを、餌である動物プランクトンなどと誤認して食べてしまうことがわかっています。ただ体に付着するよりも体内に取り込むほうが何倍もリスクが高いです。体内に取り込まれたマイクロプラスチックはサンゴと褐虫藻の共生関係を阻害し、白化を引き起こす為です。

 

付着するだけでも危険

またコーネル大学のジョリア・ラム博士の研究チームは、4年間に渡りミャンマー、タイ、インドネシア、オーストラリアの4カ国159カ所の珊瑚礁を分析したところ、マイクロプラスチックが体に付着しただけでも、病気になるリスクが通常時の4%から89%に高まることが判明しました。

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