蛍光色素で発光するサンゴが美しい…でも原理は?

蛍光色素で発光するサンゴが美しい…でも原理は?

まるでホタルが集まる樹木のように、太陽光のほとんど届かない深い海で、美しい光を放つサンゴがいます。それもいわゆる宝石サンゴといわれる深海性の非造礁サンゴではなく、30〜100mの水域に棲む浅海性の造礁サンゴです。

 

蛍光色素で光るサンゴ

浅海性のサンゴは、紫外線のダメージを軽減する蛍光色素を持っています。人間と同じように強い紫外線を浴びると、サンゴの中の褐虫藻もダメージを受ける為です。

 

そしてこの蛍光色素は紫外線を浴びると発光します。蛍光色素を持つサンゴに、暗闇で紫外線ライトを当てると発光が確認できるでしょう。しかし普段自然の中で、明るい日光に照らされている時に、この発光の様子を肉眼で確認するのは困難です。

 

深い海で美しく輝くサンゴ

色鮮やかに光るサンゴを発見、深い海なのになぜ? | ナショナルジオグラフィック

 

上記のニュースで取り上げられている紅海の水深30〜100mに棲む造礁性サンゴは、紫外線を当てずとも美しく発光する様子が肉眼で確認できるので話題になっています。

 

▼光るサンゴ

 

深海というレベルの深さではないものの、水深100mともなると太陽光はわずかしか届きません。浅い海に棲むサンゴと比べ蛍光色素を持つ必要性が薄いにも関わらず、多くの蛍光色素を持ち発光しているのが不思議なのです。

 

研究者によれば、このサンゴが多くの蛍光色素を持つのは、紫外線対策ではなく、共生する褐虫藻の光合成に役立てるためかもしれない、とのことです。太陽光による光合成だけで生育するのが困難なので、色素による発光で足りない光を補っているようです。

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