環礁の特徴とは?世界の環礁を一挙紹介
サンゴ礁はサンゴが生み出す石灰質が積み重なることで形成される地形のことです。サンゴ礁は海面上昇や島の沈降で裾礁⇒堡礁⇒環礁と形態を変えていきます。
裾礁
礁が陸地の海岸に接するように形成された状態。
堡礁
海面上昇もしくは島の沈降で、礁と陸の間に水深の深い海(礁湖:ラグーン)ができる。
環礁
海面上昇もしくは島の沈降がさらに進み、陸地が水面下に完全に沈んで、礁に囲まれた礁湖のみが残った状態。
今回はこのうちの環礁について掘り下げていこうと思います。
環礁の特徴
分布
環礁は主に亜熱帯に分布しています。タスマン海にあるエリザベス礁は南限に位置しています。
大きさ
礁の長さは長いものだと数十キロメートルにもなり、幅は広いもので数百メートルにもなります。島のように大きなものには人が住み、国土のほとんどが環礁のみで形成されている国家もあります。
環礁状に形成される島を「環礁州島」又は「州島」と言い、モルディブ共和国は環礁で形成された国として有名です。サンゴ礁のみで形成されているので、高いところで数メートルと標高が低いのが特徴です。
環礁がより高く成長すれば、周囲が絶壁で囲まれた中央にくぼみのある島となり、このような環礁を隆起環礁といいます。南大東島・北大東島などがそれにあたります。
形状
環は必ずしも円形になるとは限らず、礁の形状によって様々です。礁の形状は満潮時と干潮時で形状を変え、その形状変化により出来た通り道で船舶の出入りができるケースも多いです。
水深
礁湖の水深は50〜80mほどですが、礁の外からは急に深くなり礁からそう離れないうちに4000〜6000mの大深度になっていることも少なくありません。
環礁の利用
環礁は、礁に囲まれた穏やかで広大な水面を形成する為、古くから艦船の停泊地として利用されてきました。
第二次世界大戦時、日本軍はウルシー環礁を停泊地にしており、アメリカ軍の空襲を受け撤退した後は、アメリカ海軍を中心とした連合国軍の重要な基地として機能していました。
大規模な環礁一覧
- グレートチャゴスバンク: インド洋
- リード堆: 南沙諸島
- マックルズフィールド堆: 南シナ海
- ノースバンク(サヤデマルハバンク) : インド洋
- ロザリンドバンク: カリブ海
- ティラドゥンマティ環礁・ミラドゥンマドゥル環礁: モルディブ諸島
- チェスターフィールド諸島: ニューカレドニア
- フヴァドゥ環礁 : モルディブ諸島
- チューク諸島: カロリン諸島
- サバラナ諸島: フローレス海
- リウー礁: コーラル・シー諸島
- Bassas de Pedro: ラクシャディープ諸島
- アーデェイジアー礁: 南沙諸島
- クェゼリン環礁: マーシャル諸島
- Diamond Islets Bank: 珊瑚海
- ナモヌイト環礁: カロリン諸島
- アリ環礁: モルディブ諸島
- マロ環礁: 北西ハワイ諸島
- ランギロア環礁: トゥアモトゥ諸島
- コルマドゥル環礁: モルディブ諸島
- 北マレ環礁: モルディブ諸島
- オントンジャワ環礁: 南西太平洋