サンゴ礁に生息する生物の特徴

サンゴ礁に生息する生物の特徴

サンゴ礁が形成する山のような地形は、外からの波をせき止める防波堤の役割も果たす為、礁と陸地に挟まれた海域は非常に穏やかなものです。そしてサンゴは海の水質を保ったり、海中のCO2濃度を保ったりしてくれているので、大小様々な生物にとってストレスなく健康的に過ごしやすい環境となっています。

 

ただ健やかな場所というだけでなく、サンゴ礁が作る複雑な地形は、小型生物の絶好の隠れ家でもあり、大型生物の絶好の狩り場でもあり、繁殖の場でもあるので、様々な目的で様々な生物が集まってくるのです。このような特性からサンゴ礁は「海の熱帯雨林」とも呼ばれ、生物多様性を保つ上で非常に重要な存在となっています。

 

海岸付近の生物

サンゴ礁付近の海岸や砂浜は石灰分を豊富に含みます。その為石灰分を栄養に成長する植物が多く確認できます。またその植物の周りにはヤドカリやヤシガニなどの陸上生物が生息します。岩の隙間などはウミヘビ類のねぐらや産卵場所となっています。

 

礁池内の生物

礁の内側の波が穏やかな海のことを礁池といいます。サンゴ礁の生産力を支える藻類が多数生息しています。礁が外海の荒波をせき止めてくれるので、遊泳力が高くない小型の生物(熱帯魚、貝、クラゲ、エビなど)も住みやすい環境となっています。小型の生物が多いですが、普段は礁の外側にいる大型の生物が、産卵や索餌の際に礁池に入ってくることも多いです。

 

礁の外の生物

外礁を超えた部分からは急に深くなり、小型の生物も少なくなります。外海の波にさらされ、潮の流れも速いので、遊泳力の高い大型魚が目立ちます。エイやサメなどが姿を現すこともあります。

 

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