サンゴの白化現象とは?原因や対策
サンゴといっても種類は色々ですが、一般によく知られている「サンゴ礁を形成するタイプ」は造礁サンゴと呼ばれ、温暖で水深20〜30mほどの浅海に生息しています。
造礁サンゴは、体内に褐虫藻と呼ばれる藻類を共生させ、光合成産物の供給を受け生育ます。さらに自身で捕食も行なうので、成長速度が速く、環境さえ安定していれば非常に長生きする動物です。
しかしその反面水質汚染・水温上昇など環境変化に弱く、逝く時は本当にアッサリ逝ってしまうのも、サンゴの生態を理解する上で覚えておくべき点でしょう。
サンゴの白化現象とは
サンゴの白化現象というのは、その名の通りサンゴから色素が抜けて骨のように白くなってしまう現象です。上述したような環境変化が長期化することで、ストレスから褐虫藻を排出したり(※1)、褐虫藻が色素を失う為に起こります。
褐虫藻を排出する理由
温暖化などで水温が上昇すると、褐虫藻の光合成回路が破壊され活性酸素が発生します。活性酸素はサンゴの細胞を破壊する為、免疫システムが働いて褐虫藻を放出するのです。
白くなる理由
造礁サンゴは骨格とそれを覆う共肉から成りますが、共肉は半透明で、目に見えるサンゴの色というのはほぼ褐虫藻の色(褐色)と同じです。色が白くなるのは、褐虫藻がいなくなり骨格の白色が露出する為です。
白化すると死ぬ理由
褐虫藻が活動を停止したり排出されても、しばらくは生きていますが、時間が経つと死亡してしまいます。造礁サンゴの生育に必要なエネルギーで、褐虫藻による光合成産物が占める割合は大きいのです。
白化現象の原因
近年世界的にサンゴの白化現象が加速しており、原因は人的要因による海水温上昇や海水汚染※と考えられています。
※具体例
・二酸化炭素排出による地球温暖化
・生活排水流出による栄養塩流出
・開発事業・農地からの赤土流出
・工場排水からの化学物質流出
現在世界のサンゴの3分の1の種の絶滅が危惧されて、将来的にサンゴという種が絶滅してしまうことすら懸念されています。
白化現象を食い止める為の対策
根本的な解決
地球温暖化・水質汚染に歯止めをかける。
気軽に出来ること
節電する/生活排水として油をそのまま流さないようにする。
官民一体でやるべきこと
サンゴの生態系における重要性を広め保全の必要性を訴える。